長年病院暮らしのエカピリオが、くだらない話をします。



筋ジストロフィー症、そこそこのお歳です。



※「ピリオ」命名:白黒音夢さん


2009年11月14日土曜日

母と灯油タンクと車

私の母は、かつて台湾で終戦を迎えたという経歴があり、いわゆる激動の日本を生きてきた人であります。そんな母ですが、実は車の免許をもっていました。私が小6の時ですので24年も前の話です。きっと父は同僚が奥さんに送り迎えしてもらうのをうらやましく思ったのかもしれませんね、母を半ば強引に自動車学校に行かせることにしたのですが、運動オンチながらも何とか免許を取得することが出来ました。
はじめは気分も車も乗る気じゃなかった母でしたが、免許取得の日は余程うれしかったみたいで、腕を披露すべく父を乗せてドライブに出かけることになりました。父にしてみたら最終試験みたいなものですので、私と遊びに来ていた従姉はお留守番。
「じゃ、行ってくる」と不安混じりの中にも良い笑顔で母は家を後にしました。従姉と冗談で「いきなりぶつけたらウケるよね」と話していたんですが、その直後

ズドーーーーン!!!!

明らかにどこかへぶつけたであろう轟音が鳴り響きました。普通は心配して飛び出すところですが、あまりにもナイスなタイミングだったので、思わず従姉と二人でゲラゲラ大爆笑してしまいました。で、外に出てみたら、お向かいさん家の灯油タンク(冬が長い北海道ならではの物なんですね)がボッコリ壊れていました…
まあ、事故とはいえ家の近くだし、人を誰も巻き込まなかったことは不幸中の幸いでしたが、母にとっては免許を取った自信もあったでしょうし、自負もあったことでしょう。それが事故により失墜したばかりか息子に笑い声の洗礼を浴びせられたのですから、ダブルパンチだったと思います。
それから数日後、お向かいさんの灯油タンクが新品に変わっていたことは、言うまでもありません。

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