長年病院暮らしのエカピリオが、くだらない話をします。



筋ジストロフィー症、そこそこのお歳です。



※「ピリオ」命名:白黒音夢さん


2009年10月11日日曜日

アイス・エイジ

虫嫌いの人には気持ち悪い話かもしれませんが、私は子供の頃、昆虫採集が大好きでした。特にクワガタは抜きんでていて、夏休みなどは寝ても覚めてもクワガタオンリーでした。一体どこで捕まえるのかといえば、私には森林に入っていける様な体力はないので、市街地だと山が近いせいか道路の街灯に昆虫がけっこう寄ってくるので、そこを狙う訳です。クワガタなどの甲虫は飛ぶのが苦手なので、街灯の下で割とひっくり返ってることが多いんです。車を父に徐行運転してもらい、黒い姿を発見したら捕獲する。これを繰り返し、一晩に3,4匹とれたら成果としては良い方でしょうかね。仕事帰りの父を「クワガタ、クワガタ」と何度も説得して、連れて行ってもらったものです。
透明なプラスチックの入れ物で飼うのですが、狭い空間のせいか、仲間同士で殺し合ったりするんですよ。生存争いってやつでしょうか。ある時、中を見たらメスが真っ二つにされてました。まだ生きてたんですけど、よく見たら神経みたいな筋が一本つながってるだけの状態でした。とりあえず入れ物から出してどうしようか迷ってたら、母がその様子を見るなり、いきなり

ブチッ 

と、なんとつながってた神経を分断してしまったではありませんか!! なんてことするの、と言ったら母は「中途半端だから」としか言いませんでした。確かにそこまでいったらどうしようも出来ないですけどね。二つに分かれたクワガタは、上半身は前足の二本を使って、這いずり回り、どこかへ消えてしまいました。そして、下半身と四本の足は命令系統を失い、ただその場にうずくまるしかありませんでした…
その後も生存争いは進むかと思いきや、冬が近づき、強そうなクワガタはどんどん死んでゆき最終的に残ったのは、一番身体の小さなコクワガタでした。それはまるで氷河期を生き延びた小動物のようでした… 透明な小さな入れ物は、まさに大自然の縮図という訳ですね。だとすれば滅びてしまったのは神である私のせいですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿