長年病院暮らしのエカピリオが、くだらない話をします。



筋ジストロフィー症、そこそこのお歳です。



※「ピリオ」命名:白黒音夢さん


2009年1月21日水曜日

ひとつの話

私の暮らしているところ、つまり“病院”では
その性質上、いわゆる“お別れ”の場面は避けて通れません。
私も数多くの経験をしてきましたが、こればかりは慣れることは
ありません。むしろ人として、決してその感覚に慣れてはいけ
ないと思っています。

そして、いつしか自分にも順番が回ってくるのではと不安に
なることがあります。かくいう私も随分悩んだものでした。
周りからアドバイスを受けることは出来ます。専門的な言葉なら
カウンセリングを受けることさえ出来るはずです。
しかし、最後の最後には、自分自身が考え、何かしらのことを
見いだし、乗り越えなければならないことだと思います。

私が見いだしたのは、家族の存在を想うことでした。
それは、友の「おれたちの身体は、自分だけのものじゃない」との
一言がきっかけでした。家族とはいえ“他者”を意識することで
自分自身を客観視出来たのかもしれません。
とにかく、自分が悩み続けると、それ以上に家族も悲しむと
思ったのです。
そして、自分を育んでくれた家族のためにどうあるべきかと
考えたとき、今を精一杯生きて、少しでも長生きすることが
親孝行だったり、家族に出来る恩返しだと考えたのです。

他者を意識し自我に目覚めることで、人の悩みがはじまり、
そしてその悩みを解決する糸口も“他者を想うこと”なんて、
面白いものです。

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