長年病院暮らしのエカピリオが、くだらない話をします。



筋ジストロフィー症、そこそこのお歳です。



※「ピリオ」命名:白黒音夢さん


2010年7月5日月曜日

ちゃんちゃん。

病棟へカセットコンロを持ち込み目の前で調理してくれる「病棟調理」は私の楽しみのひとつですが、昔は今よりも規制が緩く、それ以外にも病棟で調理してもらえる機会がありました。
特に思い出深いのは冬季帰省で在棟者が少ないときに、看護師さんたちが家に帰れなくて寂しいだろうと、病棟でちゃんちゃん焼きを作ってくれたことです。道外の方のために説明しますと、ちゃんちゃん焼きは、鮭と野菜を鉄板で焼いたもので、味噌バターを塗るのが最大の特徴です。うどんとかも一緒に炒める地域もあるみたいで私が食べたのはそれでした。
普段はコワモテの看護師さんがボソッと「鮭の皮から先に焼くんだぞ」と男ながらに鉄板を仕切ってくれて、以外にマメな一面が見れたり、いつも職員は私たちに食べさせるだけですけど「ちょっとしょっぱかったかな?」と患者も職員も一緒になって、和気あいあいの雰囲気で食べたあの味は、今でも忘れられません。二度も三度もおかわりしてお腹が苦しくなったものです。
人間は社会の中で対人関係を築くために、仕事とは別の形でコミュニケーションをとる手段を持っています。それは、飲みに行ったり一緒に食事をとったりすることです。病棟生活も一つの社会です。患者同士の人間関係もさることながら、職員との関係も築いていかなければなりません。すれ違いやいざこざは避けて通れないことですが、そこにお茶の一杯でもあってお互いに和める瞬間があったらどうでしょうか。それがふとしたきっかけになってわだかまりも少しは解けるんじゃないでしょうか。流石に病院でアルコールはありえませんけど、「きっかけ」は何か必要なんじゃないかと思います。理想も理想、大理想ですけどね。

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