長年病院暮らしのエカピリオが、くだらない話をします。



筋ジストロフィー症、そこそこのお歳です。



※「ピリオ」命名:白黒音夢さん


2010年7月8日木曜日

愛のある選択

「犬のおまわりさん」というヒューマンドラマを見ました。
これは悪性リンパ腫の病魔と闘った女性の話で、本人のブログをまとめた同タイトルの本をもとに再現されたものです。第二子妊娠と同時にガンの存在を知ったため、母性のために出産するか、母体の命を優先するかの選択を余儀なくされます。結果、前者をとるのですが、ガンばかりは治るのかどうか未知なわけで、母体優先だからといって出産の選択を切ることは、母親の命の綱をも切りかねませんから、究極の更に上を行く選択が求められたんですよね。一人がいるからイイじゃないか、なんて話もあるでしょうけどそんなことはドラマには微塵も出てきませんでした。もし自分が死んだら父親と娘の生活が待っています。その時、一人でも多く家族が居た方が辛さも寂しさも乗り越えられるだろうし、自分が命を賭して産んだ子に全てのことを託したい、そんな想いもあるんでしょうね。残される家族としては辛いけど、家族の行く末を考えたとき、この選択は最も優しくて愛のあるものだったんじゃないかと思いますね。
総じて感じたことは、映画などとは違って抑揚がないことです。起承転結みたいな妙なシナリオ感がないというか。良いのか悪いのかわかりませんけど、人の命って儚いな、そしてあっけないなと思いましたね。ドラマチックな別れなんてそうそう出来ないですよね。私が兄と最後に交わした言葉は、他愛もない日常会話でした。内容も思い出せません。だから死に目に会えなかったご主人は、とってもリアル感がありました。
私には子供はいませんし、今のところ?結婚予定もありません。ただお世話になった人たちに何かしらの思いを残したい。私が生きていたことをこの世に刻みたいですね。色々考えてはいるんですよ、これでも。

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