長年病院暮らしのエカピリオが、くだらない話をします。



筋ジストロフィー症、そこそこのお歳です。



※「ピリオ」命名:白黒音夢さん


2010年8月20日金曜日

努力という財産

突然ですが、本当の優しさって何でしょうか。
少し回り道しますけど、昔、「漢字の書き取りがわからないから教えて欲しい」と小学生の子に言われたことがありました。「おれが教えちゃってもいいのかい?」と聞いたら「先生が、わからなかったら教えてもらえって言ったよ」と言われました。これには驚いてしまいました。
だって、書き取りテストだったとしたら、私が全て教えたら100点になっちゃいますよね。今まで出来なかった子が、突然全部回答できたら流石にわかるとは思うんですが、その子がどの漢字を書けないのか、学校の先生も知る由が無くなってしまいますし、本人の勉強にもならないと思うんですよね。宿題に取り組んだという結果だけが残り、勘違いの達成感をもってしまいます。なので私は「わからないところは空白で出しなさい」と教えました。そして点数という本人の評価が出て、今後の学習内容や教育方針が決まると思うんですよね。
その子に教えてしまう方が楽には楽ですけど、せっかくの勉強を意味あるものにしてあげたいし、それで得られるであろう様々なチャンスを勝手につぶすことは出来ないと思います。もし赤点を採ったとしたら、まず自分の出来がどれくらいなのか力量を知ることが出来る。そして恥を知ることで次は頑張ろうと、学習意欲が芽生える。間違いを自分で正したり何回も書き取りを繰り返したり苦労した分だけ、脳に鮮明に焼き付くとも思います。そして100点でも採った暁には、真の達成感と充実感を得られるでしょう。次の高みに挑戦する自信にもつながります。良いことづくしです。
私も人を甘やかせるタイプですけど、周りの大人は真の優しさに目覚めて、子供から努力や苦労という財産を奪わないで欲しいと願う次第です。

0 件のコメント:

コメントを投稿