長年病院暮らしのエカピリオが、くだらない話をします。



筋ジストロフィー症、そこそこのお歳です。



※「ピリオ」命名:白黒音夢さん


2010年4月17日土曜日

マイ・レフト・フット



私が高校生の時、社会の先生がたまには息抜きにと授業中に映画を見せてくれたことがありました。
その映画は「マイ・レフト・フット」。生まれつき脳性麻痺のために不自由な生活を余儀なくされた、主人公クリスティ・ブラウンの半生をつづったものです。彼は画家、詩人、作家として成功しており実在の人物であります。
クリスティは幼少から障害のため意思伝達がうまく出来ず、知能に後れがあると思われ満足に教育を受けることが出来ませんでした。確か普通なら小学校に上がる年代になっても家にいたと記憶してます。
でもある時、クリスティがたまたま親が目を離したときに床に転げ落ちてしまい、親が心配して駆け寄って来たら、どこで覚えたのかこぼれた水を使って床に「ママ」と一言書いたのです。はじめて彼に自分の意思があることが認識された瞬間です。
私の同級生も同じハンディを抱え、小学校高学年になるまで特殊学級で学んでいましたので、その人のことを思うとどうしても両者が重なってしまい、実に感動しました。話すというごく当たり前のことが出来ないもどかしさは、私なんかでは到底計り知れない苦悩だったと思います。
とにかく、その一挙手一投足がとてもリアルで、脳性麻痺の方をオーディションで選んだのかと思うほどでしたが、それが演技だと聞いて驚きました。
印象に残ってるシーンが映画タイトルにもあるように、唯一動かせる左足でいじめっこたちにサッカーで挑戦するところです。確か負けてしまうはずですが不自由な彼の左足の強烈な蹴りを見たとき、それから彼をバカにする者は居なくなりました。高校生くらいだと映画で涙を流すような人はあまり見かけませんが、これはそれを覆すほどの涙ものです。私も涙がこぼれるのを我慢するのがやっとでした。WOWOWで放送したことがあるので再放送を望んでいますが、なかなかやりません。機会があればもう一度みたい映画です。

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