長年病院暮らしのエカピリオが、くだらない話をします。



筋ジストロフィー症、そこそこのお歳です。



※「ピリオ」命名:白黒音夢さん


2010年5月13日木曜日

抱き続けていたいこと

私は患者自治会の役員をやっていた頃、物事にはビジョンが大切だと教わりました。
ビジョン。つまり達成したときのイメージや映像が鮮明なものでなければ、何事も場当たり的で短絡なものに終わってしまうということです。これは言うほど簡単なものではありません。私にとっても一番の難関でしたが、その考え方だけは役員を続ける中で培われたと自負しております。
まず、物事を多角的に見ようとする様になりました。一見良さそうなアイデアも見方を変えれば、実はそうでもなかったり、遠回りだと思うことがもっとも近道だったりとか、そういうことです。自分の考え方を否定されるのは苦痛で嫌なことですが、あくまでも自分の考えは万策のうちのひとつであり、否定されたのではなくて他に最良の策が見つかったと考えられるようになったのです。
ビジョンを意識してから得られたのは他にもあります。それは患者全体のことを考えられるようになったことです。一見、一人一人はおざなりにしてる様に見えることでも、最終的には向くべき方向へと進んでいる。一人一人に目を向けているつもりが、かえって二の足を踏んでしまってることって結構あるんですよね。
今は一線から退き、得られた財産だけは胸に秘めていようと思っていますが、悲しいことに自分や身近な範囲でしか物事を見れない私がいます。自分自身のことを知ることは良いことだとブログで言いましたが、他人の痛みを知ろうとするからこそ、自分の痛みを理解出来ると思うんですよ。
…今まで培われたことを、絶やさずに抱き続けていたいものです。

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